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利回りについて利回りとは?
不動産の価格(収益価格)は次式により求められます。
ここで収益は、収益=収入―費用で、収入には売却額も含まれます。
k年目の収益の現在価値は、利回りrがわかっている場合、次式で求められます。
従って、逆に、利回りrは、不動産の取引価格とその収益(賃料等)を調べることによって求めることができます。 利回りの求め方
1. マーケットで実際に取引された不動産取引の事例(取引事例)となっている不動産の将来の収 益を予測する。
上記で特に重要なのは、1.と3.で収益を予測していることです。
このホームページで不動産の収益計算ができるようになっています。これをもとに不動産の価格(収益価格)を求めることができるのですが、この収益計算にデータを入力する人のマインドによって利回りが変わってきますので、あえて当方で提示する固定的な利回りで価格を求めるようにしていません。
2. 取引事例と対象不動産のそれぞれの収益の不確実性
従って、これらの試みは、やはり戸建住宅は高めに取引されているという確認の意味しかありません。 債券利回りから求められるか?不動産の利回りは、割引国債の利回り(リスクフリーレート)に不動産のリスクプレミアムを加えたものです。不動産にかかわらず、資産のリスクプレミアムは、リターン(収益)のリスク(不確実性)が大きいと大きくなり、資産の利回りも大きくなります。資産価格を一定にすると、これはリターン(収益)が大きくなることを意味します。 従って、リターン(収益)とリスク(不確実性)には一定の関係があるので、不動産市場はもちろんのこと、債券市場、株式市場等の他の投資市場におけるリスクとリターンの関係で不動産の利回りも求められると言われています。 しかし、前述したように、同じ不動産市場内でも、リスク(不確実性)の比較が困難なことが多いのに、まして不動産とは異なる性格の投資対象との比較は、ほとんど不可能でしょう。 実際、不動産の流動性リスクをほぼ取り除くことに成功し、最も不動産に近い金融商品であるJREITの利回りは、ユーロ建世銀債(格付AAA)の利回りとほぼ同水準ですが、これは市場で裁定が働いた結果であると言えるか、疑問を感じることが多いのです。 それぞれの市場でのプレーヤーも異なれば、同じプレーヤーでも分散投資による安全性を考えて両者をまったく別の投資対象と考えているのではないかとも考えられるからです。 もちろん両者が明らかにバランスを欠くような関係になったときに激しい価格変動が起きることは明らかですが・・・。 確率論で求められるか?リターン(収益)のリスク(不確実性)を求めるために、収益の不確実性を細かく分類し、例えば、賃料変動率、空室率等に関する過去データを収集して平均値とその不確実性(標準偏差)を求め、不動産の収益全体の平均値と標準偏差を求める(主にモンテカルロシュミレーションと呼ばれる手法が使われる)ことにより、不動産その他の投資対象のリスクリターンと比較しようとの試みが研究されています。しかしながら、現実問題としてこの方法はかなり困難です。 本当の乱数発生が困難なことや計算時間等がかかること等の技術的な問題、すべての不確実性を網羅できない問題、それぞれの不確実性の原因となっているデータの内部相関の問題、さらにこれらの問題に加え、類似不動産の過去データの収集が非常に困難であるからです。不動産の場合は、現在のデータの収集でさえも時間とコストがかかります。まして、過去のデータとなると資料が限定され、さらに困難なものとなります。
確率論等で価格を求めることは、多数の参加者が同じような思考をおこなっているような市場(オブション市場等)では意味があるのですが、不動産の場合、数十億円、数百億円以上のものを投資対象とする極めて限定された少数のプロしか参加できないような市場でも、彼らがそのような思考で行動しているようには思えません。 賃料を利回りで割って価格を出すという最も単純な手法の方が、的を得ていることが多いのが不動産市場なのです。 最近では、価格を求める手法として、DCFや確率論的DCF等、いろいろと提案されていますが、提案されたものが市場に受け入れられ、市場参加者の思考と一致して、はじめて採用できる手法なのです。 (もちろん市場のうらをかくために行うのであれば意味がありますが・・・・。)
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